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kylepurity5月前
肥満の人に向けられるアドバイスとして最も多いのが、「もっと食べる量を減らして、運動を増やしてください」というものです。しかし、こうしたアドバイスは多くの人にとって効果がないだけでなく有害な可能性もあると、イギリスのシェフィールド大学で栄養学上級講師を務めるルーシー・ニールド氏らが解説しています。 政府の委託を受けて作成された独立報告書「National Food Strategy(国家食糧戦略)」の著者であるヘンリー・ディンブルビー氏は、「私たちは国民を害し、国家を破産させるような食糧システムを作り出してしまったのです」と述べました。 政府が抜本的な政策変更を行わない場合、イギリス全体における肥満のコストは2035年までに年間1500億ポンド(約22兆1000億円)に達すると予測されています。それにもかかわらず、イギリスの政策の多くは肥満における個人の責任を強調するものであり、全体像を無視した政策が継続されているとのこと。 近年の研究では、肥満はさまざまな要因が絡み合ったものであることがわかっています。その要因は遺伝や幼少期の経験、文化的規範、経済的な不利、メンタルヘルス、精神疾患、職業など多岐にわたり、個人の意識や行動改善で簡単に変えられるものではないとのこと。 ニールド氏らは、特に先進国に生きる現代人が生きる環境は、「肥満を誘発する環境」であると指摘しています。肥満を誘発する環境とは、高カロリーで栄養価の低い食品がどこでも安価に手に入り、車中心の都市からスクリーンに支配された余暇時間まで、日常生活から身体活動が排除されている世界です。 こうした環境はすべての人に等しく影響を及ぼすわけではありません。恵まれない地域に住む人は、安価で栄養価の高い食品へのアクセスが限られており、公共交通機関で遠くの店舗に行くのも難しく、運動できるような緑地も少ないなど、肥満を助長する環境にさらされています。ニールド氏らは、「このような状況では、体重増加は異常な環境に対する正常な生物学的反応となります」と主張しました。 肥満にはこれらの体系的な要因があるという認識が高まる一方、依然としてイギリスの肥満対策の多くは個人の行動変容に重点を置いています。確かに、カロリー制限や定期的な運動は減量にとって重要ですが、こればかりに焦点を絞ると「肥満は個人の努力不足だ」という危険な言説が
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